CROSSROADS Language Studio’s Newsletter February, 2024 Vanilla

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バニラは世界で最もよく知られているスパイスのひとつです。 その甘い香りのバニラのさやを最初に利用したのは、メキシコの先住民族、トトナック族でした。

バニラは蘭科の植物種で、中央アメリカのジャングルにのみ自生しています。種子の発芽を誘因する特定の菌類、つるが伸びるための木、そして自然に花を受粉させる独特種の蜂を必要とする極めて特殊な植物です。

1519年に、スペインの征服者エルナン・コルテスがアステカを訪れた時、バニラのさやを旧大陸に初めて紹介しました。それ以来、このスパイスは世界中で爆発的な人気を博し、あらゆる帝国がバニラの栽培と交易に励むようになりました。しかし蘭科特有の性質から、受粉させ、実を育てることは不可能であることが分かってきたことで、乾燥バニラのさやの価格が桁外れの天文学的価格に値上がりました。2018年には1kg 当たり 83,000円という当時の銀の価格を上回る史上最高値を記録しました!

世界中の農園が300年以上もの年をかけ、受粉成功に挑戦し続けた結果、遂に各々の花自体が雌雄両方の部分を持っている事実が分かってきました。手で雌雄を互いに接触させることで、受粉成功の保証が得られるようになりました。この技法のニュースは直ちに世界中に広まり、間もなく市場はバニラスパイスで溢れかえるようになりました。

同時に人工的なバニラも作られるようになり、その法外な価格のため、天然由来は現在使われているバニラ全量のわずか1%です。

この植物に対する飽く無き需要を満たすため、またより手ごろな価格のバニリン(芳香化合物を含む結晶)を探す中、科学者たちは、ビーバー(はい、ビーバーです!)が、正にほとんどバニラの香りを放つカストリウムという麝香の香りの物質を尻尾の下に生成していることを発見しました。巧妙な化学技術によって、この物質をベースにした合成バニラが作られ、生産コストが大幅に削減され、労働費に大きな支出を要する手間のかかる蘭の有力な代替品が提供されるようになりました。しかし、カストリウムを抽出するこの方法は、化学の進歩によって動物やバニラ植物そのものを介さずバニリンを作ることが可能になったため、すでに長い間廃止されています。

最近では、バニラはさまざまな商業用途に広く使われています。アイスクリーム、ケーキ、飲料のような菓子類に主に使われているのはもちろんですが、香水産業においてもたいへん多く使用されています。またバニラの甘い香りは、例えば車のタイヤやペンキ、ハウスクリーニング剤など、私たちの身の回りによくある日用品の嫌な臭いを効果的に隠すためにも使われています。

あまり知られていませんが、バニラには、他にも非常に実用的な用途があります。

クモはバニラが大の苦手です!家の中のクモの存在に耐えられない人は、窓の周りやドアの隙間にバニラビーンズを撒くだけで、二度とクモに悩まされることはありません。

バニラアイスクリームは好きですか?私はもちろん好きです!

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