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18世紀の産業革命の “根幹 “は蒸気機関の発明に基づくと言う人もいる。1698年、トーマス・セイヴァリーは、石炭や錫鉱山から水を汲み出すための手動式蒸気ポンプの特許を取得した。これが産業用としての蒸気の最初の実用化になったわけである。1712年、同じくイギリス人のトーマス・ニューコメンが、鉱山の水抜きの難題に取り組むため、蒸気の力を利用した、より効率的なエンジンを開発した。そして1769年に、スコットランド人、ジェームズ・ワットがさらに改良された蒸気機関の特許を取得し、1776年には、蒸気機関2台が工業地帯に設置された。1台は炭鉱の水を汲み上げるため、そしてもう1台は製鉄所の炉に空気を送り込むためのものであった。このようにして、産業革命は本格化して行ったのである!
しかし、18世紀の産業革命のはるか以前より、発明家、デザイナー、エンジニア、数学者、あるいは趣味に熱中する単なるアマチュアが、蒸気で動く仕掛けづくりに挑み、取り組んでいた。
1606年には、スペイン人のジェロニモ・デ・アヤンス・イ・ボーモントは、スペインのガダルカナルで浸水した鉱山の水抜き作業に有効に活用された蒸気動力のポンプを開発し、その特許を取得した。彼の発明が、上記イギリス人紳士にインスピレーションを与えたのではないだろうか?そして現実にポンプ装置が必要だったということ以外に、何がボーモントのポンプ作りを触発したのだろうか?
またイタリアのジョヴァンニ・ブランコが1629年に発明した円筒形の脱進機、そして1551年にオスマン帝国エジプトで発明されたタキ・アル・ディンのシンプルなインパクト型蒸気タービンなど、蒸気を使った他の初歩的装置が、1世紀以上も後の、産業革命時の発明家たちにインスピレーションを与えることになったとは言えないだろうか?レオナルド・ダ・ヴィンチも、15世紀には蒸気で作動する大砲の設計を考案していた!
さらにさかのぼること、1125年には、イギリスの歴史家、マルムズベリーのウィリアムは、加熱した水の圧縮空気を動力源とする教会のオルガンがフランスのランスにあったことを記述している。現に、熱を運動に変換する蒸気利用については、小さな鳥がロープの上を進行移動する蒸気を使った装置で人々を楽しませた古代ギリシャの数学者、アルキュタスにまで遡る。紀元前400年のことである!
エンジンとして認識される最古の蒸気制御機器は、ローマ時代のエジプト、アレクサンドリアのヘロンによって、紀元1世紀に発明された。彼の設計は斬新で、水の入った密閉された大釜を熱源の上に置くというものだった。水が沸騰すると蒸気が上昇し、左右の2本のパイプを通って吊り下げられたシリンダーに入り、シリンダーに取り付けられた2本の曲がったパイプが蒸気を逃がし、シリンダーを回転させる-最初のスチームエンジンだ!
 人類、実際には進化していないように思える。大半は過去のものをコピーし、改良を重ねるだけになっているようである。

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