CROSSROADS Language Studio’s Newsletter June, 2025 DRONES

21世紀において、ドローンほど私たちの想像力を魅了し、産業を大きく変えたテクノロジーはないだろう。無人航空機(UAV)は、かつてはほとんどSFの世界に存在していたが、今日では趣味用品店から戦場まで、よく見かけるようになった。単純な飛行物体から洗練されたツールへと変貌を遂げるまで、その道のりは、100年以上にも及ぶ静かな、しかし力強い前進を遂げたすばらしい道程である。遠隔操作で飛ぶ飛行機のアイデアは新しいアイデアではない。1900年代初頭の実験では、基本的なラジコン飛行機が使用され、主に軍による射撃演習に使われていた。数十年かけて、これらの初期の設計は徐々に進化し、ジェットエンジンやより優れたカメラなどの新技術を合体させ、主に冷戦のような紛争時の偵察に使われた。しかし、1980年代から90年代にかけてGPSが、より小型で強力なバッテリーや高度なセンサーの搭載と共に統合されたことで、今日のドローンへの道が築かれたのである。
ドローンは主に戦争に関連づけて考えられている。偵察や敵の位置に関する情報収集、さらには標的を絞った攻撃に至るまで、人命を危機にさらすことなく危険な地域に飛び込むことができるため、非常に貴重な存在である。この用途は今日も続いており、高度な軍事用ドローンは現代の紛争で重要な役割を果たしている。
しかし、21世紀には、ドローンは戦場をはるかに超え、私たちの日常生活空間にも飛来するようになった。最も視覚的に美しい画質例のひとつが、ドローンによる光のショーだ。伝統的な花火の代わりに、LEDライトを搭載した何百、何千ものドローンが完璧に連携飛行し、夜空に見事な形や模様を作り出す。例えば、2024年のオリンピックの開会式では、ドローンを使って複雑なロゴや図形を形成し、従来の花火に代わる壮大で環境に優しい演出を提供した。
農業では、ドローンが農作業に革命をもたらしている。農家はドローンを使って作物を上空から監視し、水や肥料がもっと必要な場所のチェックや病気の早期に発見を実現している。例えば、特殊なカメラを搭載したドローンは広い畑の上空を飛行し、作物にストレスがかかっている部分や不健康な部分を素早く特定し、農作業者が必要部分に処置を施すことができるようにしている。
写真や映像制作もドローンによって完全に変化した。プロもアマチュアも、かつては高価なヘリコプターでしか撮影できなかった息を呑むような空中からの景色を撮らえることが可能になった。ドローンは木のてっぺん上で、ドラマチックなアクションショットを撮ったり、狭い氷河の深い割れ目を飛行しながら野生動物や地形をユニークな視点で撮らえることができる。ドローンはまた、野生生物の保護においても不可欠なツールになりつつある。動物を不安にさせることなく個体数を調べて、研究者を助けたり、レンジャーが絶滅危惧種を密猟者から守るのを支援したりするのに役立っている。例えばアフリカでは、サイやゾウを違法に狩ろうとする密猟者を発見するために、夜間に熱感知カメラを搭載したドローンが使われている。
ドローン技術は、単純な軍事用ツールから、業務用またエンターテインメントなど幅広い用途に使える万能機器へと急速に進化している。まばゆい光のショーから精密農業や重要な保護活動まで、ドローンは私たちの世界をより安全に、より効率的に、そしてより視覚的にエキサイティングなものにしている。この飛行機械がさらに賢く、より身近なものになるにつれ、将来、私たちはどのように新しく、革新的な使い方を知ることになるのだろうか?
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