CROSSROADS Language Studio’s Newsletter October, 2024 Mutualism

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関連性の無い2種の共生関係では、利益は必ずしも双方で共有されるとは限らない。寄生生物は宿主との関係から利益を得るかもしれないが、宿主は苦しみを被ることがよくある。あなたのペットがときどき引き寄せるノミや、家畜に寄生するマダニを思い浮かべてほしい。

その他の共生関係では、一方のパートナーが利益を得る間、宿主は害を被ることもないが、同時にまた何の利益も得られない場合がある。

一方、ミューチュアリズム(相利共生)とは、異なる2種の相互作用のことで、双方のパートナーが利益を得ることを意味している。例えば、ハゼとピストルシュリンプの関係を考えてみよう。ピストルシュリンプは非常に視力が弱い。巣穴の外にいるときは、捕食生物に狙われやすい。ハゼは視力に優れ、危険を容易に察知できるため、エビが巣穴の外にいる時はハゼの近くに留まり、片方の触手でハゼに触れる。こうして捕食生物の存在を瞬時に察知している。捕食生物を察知した時は、双方エビの巣穴に突進する。この関係でエビは保護され、ハゼは住処を得ることになる。捕食生物を避け、同じ巣穴を共有することで、この2匹の絆が稚魚の頃から一生続くことを考えると、この関係はさらに注目に値する。

このような相互依存の関係が、人間と他の種との間に存在する可能性はあるだろうか?

ミツバチの巣から採れる卵、幼虫、蜜蝋は、タンザニアのグレーター・ハニー・ガイドにとって大きな食料源である。この鳥たちにとって巣に近づくのは容易いことでは無く、人間の助けを借りている。新しい巣を発見すると、地元の人々にその場所へと注意を惹き、機敏に呼びかけながら巣までの道順を案内する。

ハザ族の人々は蜂蜜が大好物で、何世代にもわたり、新しい蜂蜜源へと導いてくれるこの鳥を頼りすることを学んできた。人間が蜂の巣に近づき、蜂蜜を手に入れると、ハニーガイドは残った蜂蜜のごちそうに有りつく。こうして、双方の種が互いの関係から利益を得ている。

人間を巻き込んだ、もうひとつの十分に裏付けられた実例は、ブラジル、ラグーナのバンドウイルカと漁師の関係である。そのパートナーシップは少なくとも150年は続いている。漁師が魚を捕るためにイルカの助けを借りているのか、イルカが漁師を利用しているのか。言うのは難しい。

ラグーナ周辺の海域は濁っているため、漁師たちは獲物を見分けることが難しく、網を投げるタイミングや場所がわかりにくい。イルカたちはそのことを理解しており、群れを成して泳ぐボラを親切に、漁師たちの方へと群がらせてくれる。魚が巧く漁師の近くに追い込まれると、イルカは突然水中に潜ったり、水面から高く飛び上がったりして合図を送る。漁師たちはそのメッセージを受け取り、網を投げる。網は魚を怯えさせ、混乱させ、イルカにとって囲い込みが容易な小さな獲物グループをつくる。時には、イルカが網から直接魚をひったくることもある。

調査によると、この協力関係によって両方の種が利益を得ていることが分かる。漁師は漁獲高を400%増やし、協力体制にあるイルカたちは、単独で狩りをするイルカよりも13%長生きすることが分かっている。

ハニーガイドとイルカが関わるこの2つのケースでは、誰が主導者で、誰が誰を誘導いているのだろうか?

 

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