CROSSROADS Language Studio’s Newsletter November, 2024 TURKEY OR TURKEY
鳥と国、どちらが先か?
エジプトの北そしてギリシャの東に位置する地域は、1300年代以来、一般的にトルコ人と呼ばれる人々の占領下にあった。しかし、この地域が正式にトルコ共和国として知られるようになったのは、第一次世界大戦後、オスマン帝国が崩壊してからのことである。
ところが、アメリカ人が好んで感謝祭のディナーの中心に据える鳥肉は、トルコ産ではない。事実、この鳥の原産国は、私たちがトルコと呼ぶ国から地球を半周廻った裏側の2300万年前のアメリカだったことを化石記録が示している。人類がそこで暮らしていたという記録よりもはるかに古い記録であることは明らかだ。
では、その関係は?
先ず、(少なくとも16世紀当時のヨーロッパ人にとっては)見た目も味も似ている北アフリカ原産の鳥、ギニア鳥から見てみよう。この鳥はトルコ経由でヨーロッパに輸出されていたため、「トルコ-おんどり」あるいは「トルコ-めんどり」という愛称で呼ばれていた。
その後、初期のヨーロッパの探検家たちが、トルコ原産のギニア鳥によく似た別の鳥が北米を歩き回っているのを発見した。彼らはこの 「新世界のギニー鳥」をヨーロッパに向け、持ち帰り始めた。とりわけイギリスで大当たりしたこの鳥は瞬く間にヒットした。すでにトルコ地域から入っていた鳥に似ていたことから、彼らはこの鳥を「ターキー (七面鳥)」と名付けた。この名前が定着し、今日に至るまで、クリスマスや感謝祭の特別な食事の席で、食卓の中央に据える鳥はターキーと呼ばれるようになった!
では、「コールドターキー」という言葉はどこから来たのだろうか?感謝祭の翌日のアメリカの冷蔵庫にあるターキーの食べ残りのことだろうか?
「トーキング・ターキー」という用語を、19世紀初頭まで、さかのぼって見てみると、考えられるその語義は、虚偽的で表面的な言動や態度を示す婉曲語句だったと思われる。 しかし、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、その意味は不可解なほど変化し、率直かつ直接的に話すことを表すようになった。「ターキーの話をする」とは、「遠回しに言う」ことではなく、率直に、明確に、要点を絞って話すことを意味したのである。「コールド・ターキー(cold turkey)」という用語は、上記のように、コールド(cold) (事実を淡々と、ストレートに言う「冷たい・真実(cold truth)」の意)と、正確に、あいまいでない方法で話すという意味、トークターキー(talk turkey)が連結した用語なのかもしれない。
コールド・ターキー」という言葉の意味がさらに変化したのは、20世紀後半のことである。この言葉は、何かを突然やめるという意味を持つようになった。喫煙や飲酒をやめようと決心し、徐々に摂取量を減らすのではなく、翌日にそれを実行することを選んだ場合、「コールド・ターキー 」で止めたことになる。最近では、このような方法でハードドラッグを止める用語として使われることが多い。1969年のジョン・レノンとオノ・ヨーコの歌を覚えているだろうか?
実際、「コールド・ターキー 」という言葉のルーツを理解しようとすると、さまざまな混乱や意見の相違を招くことがある。特に知識人の間では、一般人にはちんぷんかんぷんで曖昧な理論付けを続けているばかりのようである。
ちんぷんかんぷん?まさにターキートークだ。雄の七面鳥が雌の七面鳥に求愛するとき、喉の奥から音を出す;gobbles(ゴボゴボ)・・・ゴボゴボ、ゴボゴボ・・・ボゴボ、ゴボゴボ、ゴボゴボ・・・Gobbledygook(ちんぷんかんぷん)!
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